ビルの建替えを考えるためのポイント!ビルの構造をいろいろ知ろう

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普段、通勤や通学などで目にする建物の中には、ビルと呼ばれる高層の建物があります、何気なく見ているビルですが、なぜあんなに高層のものが作れるのか、ふと疑問に感じたことはないでしょうか。地震で倒れないのか、自重で崩れないのか。そんな何気ない疑問に答えていきたいと思います。

高層ビルは、高くなればなるほど、頑丈な造りにしていかなければなりません。用途や強度によっていくつかの構造があるのです。今では超高層ビルと呼ばれるビルもあります。あれだけ高いビルは一体どう建てられているのでしょうか。

建物の構造

鉄骨造(S造)

ビルの中では低層の部類のビルなどに用いられることがある鉄骨造、こちらは2種類あるので一つずつ見ていきましょう。

軽量鉄骨造(S造)

軽量鉄骨造は、主要な部分に鉄骨を用いた構造となっています。重量鉄骨との違いは、柱や梁の鉄骨の厚みが6ミリメートル未満になっていることです。

軽量鉄骨造の建物は、木造の建築物よりも耐久性や防音性に優れていますが、高層のビルというより、アパートや小規模の店舗の建築で用いられることが多い構造です。

重量鉄骨造(S造)

同じ鉄骨造ですが、こちらは軽量鉄骨造の鉄骨の厚みが6ミリメートル未満に対して、6ミリメートル以上のものを用いてあります。こちらも木造と比較した場合は、耐久性や防音性が高く、加えて耐震性も高いといった特長があります。そのためビルや高層マンションなどに用いられることが多いです。

鉄筋コンクリート造(SR造)

鉄筋コンクリート造とは、構造物の躯体(主要部分)に鉄筋を組み、その周りを枠で囲み、コンクリートを打設し締め固めたものをいいます。鉄筋は張力 (引っ張る力) に強く、コンクリートは圧縮する力に強いので、その両方のいい所を取り入れた構造が鉄筋コンクリート造です。

その2つが合わさった耐久性や耐火性、耐震性の高さから、オフィスビルや高層マンションによく使われている構造です。ただ、その構造上から柱はもちろんのこと、壁も主要部分となり、硬度計算上外せない部分が出てきますので、部屋の間取りの自由度は下がります。

ラーメン構造

ラーメン構造とは、建物を柱と梁で支える構造となっており、空間を広く活用することを可能にしています。

ブレース構造

ブレース構造は、ラーメン構造の次に人気の構造で、ブレースという斜めの部材を用いることで、地震の揺れを負担させ、建物の耐震性を強化した工法となっています。ただし、ラーメン構造と違って、利用できる面積が少なくなっているため内装にこだわりを出し辛いといった側面もあります。

鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)

鉄筋鉄骨コンクリート造とは、鉄骨と鉄筋コンクリートを掛け合わせて建築する構造です。

鉄骨鉄筋コンクリート造は耐久性が非常に高く、柱や梁を小さくできるため、利用できる面積を広くとることができます。また、優れた耐久性や耐震性からオフィスビルやタワーマンションなど、高層階のビルに用います。

その他の構造

次に紹介するのは、ビルとは少し離れてしまう構造のものもありますが、日々向上する新しい構造や工法です。

木造(W造)

木造とは、構造上の主要な部分を木の素材で構成した建物です。

木造の建築では、建築基準法上規模の大きな建築は難しく、基本的には3階までの建物が主流となっています。

また、木造建築は軽量で、工事の手間が少ないことから比較的短時間で建築することができるため、建築費が安いことも特徴のひとつです。

木造の構造上、オフィスビルよりもアパートや一軒家のような住居に向いた構造となっています。

コンクリート充填鋼管構造(CFT造)

コンクリート充填鋼管構造とは、円形または角型の鋼管にコンクリートを流し込み、柱にする構造で、鉄骨造(S造)鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、に続く第四の構造と呼ばれています。

鋼管とコンクリートの相乗効果で柱を補強していることから、耐久性と耐震性を高め、細長いビルを建設することが可能に。縦に空間を活かしやすい構造となっています。

アルミ造(AL造)

アルミ造とは、その名の通り構造上の主要な部分にアルミを用いた構造となっています。

アルミは非常に加工しやすく、軽量で扱いやすい材質です。なにより、高い精度で加工ができるため、工場出荷の時点である程度加工が可能です。そのため、現場では材料を組み立てる際に、加工や技術は最低限のものでよいので、工期を短縮できます。

また、アルミはサビや腐食に強い素材なので、塩害を受けやすい海岸沿いの住宅に用いられることが多いです。

コンクリートブロック造(CB造)

コンクリートブロック造とは、コンクリートブロックを積み上げて、ブロックの内部に鉄筋やコンクリートを流し込み補強して建築するもので、耐震性や耐久性が高いといった特長があります。

反対に防湿性が悪く、一度建てると増改築がしにくいといった側面もあります。

鉄筋コンクリート造などと比較すると、建築コストが抑えられることから、コンクリートブロックは、小規模な建物や塀などに使用されることが多く、最近では建物に使われるケースも少なくなっていますが、独特なデザイン性を活かした建物も少数ですが存在します。

世界の高層ビル

日本はかつて、関東大震災の教訓として、東京に一部の地域には「100尺規制」(1919年大正8)というものがありました。それは建築基準法の改正により、建造物の高さを31メートル未満に規制するといった内容のものです。それまでは31メートルを超える建物はあったのですが、この改正により、高さを制限され、高い建物はわずかしか建築されなかったのですが、高さ規制の撤廃(1962年昭和37年)により、世界に遅ればせながら日本は高層ビルの建築ラッシュへとなっていきます。

1960年代の日本では、日本初の超高層ビルとして霞が関ビル(147メートル)が竣工されるなどして話題騒然でしたが、アメリカでは100年前にはすでに200メートル越えのビルが建っていました。その後も続々と記録を伸ばし、1930年代にはクライスラービル(319メートル)やエンパイアステートビル(381メートル)など、信じられないような高い建物が既に建築されていました。近年日本では、あべのハルカス(300メートル)などようやく1930年代のアメリカに並ぶようになってきましたが、世界を見ると、ドバイのブルジュ・ハリファ(828メートル)や、建築中ではありますが、サウジアラビアではなんと1キロメートル越えのものまで存在します 。ビルの構造と技術開発によってここまで進化した建造物。これからも技術の進歩はとどまらず、絶えず進化していくことでしょう。

まとめ

今の日本でメインとなっている建物の構造は8つあり、それぞれにメリットデメリットは存在しますが、目的や用途によって使い分けられ、建造物が建っています。

日本は島国で、天然の海の要害があったため、昔から海の向こうからの外敵が現れにくい国でした。そのため国内の戦はあったとしても負けた側の民は奴隷などにはならず、ただ、仕える人が変わるだけで、日々の暮らしに大きく影響があったわけではありません。したがって、上に建造物を広げて要害にするといった発想はほとんどありませんでした。しかし、欧米では国と国が近いため、争いになれば国がなくなることもしばしば。しかも敗戦国の民は奴隷になることが常でした。

国を治めるものは国土と、民を外敵から守らなければならないので、昔から建物を上に建てる意識は高く、反対に日本は一部のお城を除いてほぼ皆無といったところでした。しかし、日本人の技術の高さは素晴らしいものがあり、今後の日本に建築の発展と技術の進化に期待せずにはいられません。

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